税理士報酬ガイドライン−税理士の業務範囲

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税理士の業務範囲

税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業と
することができる。
税理士法は、税理士業務の対象となる租税については原則として国税及び地方
税のすべてであるという基本的考え方に立ちつつも、税理士業務が独占業務で
ある点からみて、その範囲は最小限のものにとどめるべきであるとして、税理
士の援助を特に要しないと認められる税目については業務の対象から除外して
いる。
《除外税目》
印紙税、登録免許税、自動車重量税、電源開発促進税、関税、とん税、特別と
ん税、狩猟者登録税及び入猟税並びに法定外普通税

税務代理(法第2条第1項第1号)
 税務官公署に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立てにつき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行することをいう。
 「代理」とは、代理人が本人に代わって意思表示をなし、又は意思表示を受領し、その法律効果が直接本人に帰属する関係をいい、本来、法律行為の場合について用いられる概念であると解される。他方、「代行」は、代理のみならず、本人に代わって事実行為を行うことも含むものと解される。ところで、税理士法上の「税務代理」には、納税者に代わって、申告等の法律行為をする代理だけではなく、納税者の納税義務に関して、税務当局との間で行う事実認定、法解釈等についての税務折衝など事実行為の代行も含まれることになる。
 「主張」と「陳述」については、一般的に、前者が自分の意見を積極的に表明することを意味するのに対し、後者は、単に「主張」のみならず事実の説明を行うことも含むものと解されるが、税理士が、税務官公署に対して、納税者に代わり折衝する場合は、当然のことながら、専門家としての立場から、意見を述べあるいは事実関係の説明をすることが通常であり、このような状況を想定して、主張・陳述という用語が用いられている。
 なお、税務官公署とは、国税については、国税庁、国税局、税務署がこれに該当し、地方税については、地方公共団体(都道府県及び市町村)の税務関係部局(税務課、税務事務所等)がこれに該当する。
 さらに、「申告等」とは、次の行為をいう。
 @申告:所得税、法人税等の納税申告、住民税、事業税等の課税標準につい
 ての申告等である。
 A申請:納税の猶予申請、所得税の予定納税額の減額承認申請、相続税の物
 納・延納申請、適格退職年金契約の承認申請、酒類の未納税移出承認申請
 等である。
 B請求:更正の請求、差押換の請求等である。
 C不服申立て:不服申立てには、処分官公署又は不作為官公署に対してする
 「異議申立て」と処分官公署又は不作為官公署以外の行政官公署に対して
 する「審査請求」とがある。
 D届出:納税地の移動に関する届出等である。
 E報告:酒類の購入及び販売数量等の報告、不動産取得税等の地方税の賦課
 徴収に関する報告等である。
 F申出:国税の予納の申出、固定資産課税台帳の登録事項に関する審査の申
 出等である。
 G申立て:租税条約の規定に適合しない課税に関する申立て等である。
 Hその他これらに準ずる行為:不服申立てに関連して行われる補正や反論、
 後述する税務書類となる明細書や計算書の提出等、特定の事実あるいは意
 思を伝達する行為であると解される。

税務書類の作成(法第2条第1項第2号)
 税務官公署に対する申告等に係る申告書等を作成することをいう。
 「申告書等」とは、申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で財務省令で定めるものである。財務省令では、届出書、報告書、申出書、申立書、計算書、明細書その他これらに準ずる書類が税務書類に該当する。なお、これらに準ずる書類とは、特定の事実あるいは意思を伝えることを内容とする文書と解されている。また、「作成する」とは、自己の判断に基づいて書類を作ることであり、依頼者の口述どおりに記述するような単なる代書は含まれない。
 なお、財務諸表は、もともと税法の規定に基づき作成されるものではないから、たとえ税法上、申告書等の添付書類としてその提出が義務付けられていたとしても、税務書類の範囲に含めることは適当ではない。
 ただし、所得税法の規定により青色申告書に添付すべき貸借対照表及び損益計算書は、主として税務計算を目的として作成されるものであり、所得税法施行規則の規定に基づき財務省告示として、その細目が定められているところから、税務書類に含まれるものと解されている。

税務相談(法第2条第1項第3号)
 税務官公署に対する申告等、税理士法第2条第1項第1号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。
 「租税の課税標準等」とは、国税通則法第2条6号イからへまでに掲げる事項(課税標準、課税標準から控除する金額、純損失等の金額、納付すべき税額、還付金の額に相当する税額、納付すべき税額の計算上控除する金額又は還付金の額の計算の基礎となる税額)及び地方税に係るこれらに相当するものをいう。
 「相談に応ずる」とは、具体的な納税義務に係わることについて、相談を受けて意見を述べたり教示したりすることをいう。

補佐人としての業務(法第2条の2)
 税理士が租税に関する事項について、裁判所において補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述することをいう。
 この業務は、今次の改正によって創設されたものであり、民事訴訟法第60条に規定する補佐人とはその性格を異にしている。特に、裁判所の許可を必要とせずに本業務を行えることに大きな特徴があり、税理士本来の業務と位置付けられるものである。
 「租税に関する事項」とは、税務官公署に対する申告等又は税務官公署の調査若しくは処分に関する事項のほか、国税債権不存在確認訴訟、国家賠償請求訴訟、税理士が税法の適用誤りを行った場合の損害賠償請求訴訟、相続争いに伴って生じた訴訟における租税に関する事項等であり、国又は地方公共団体が訴訟当事者となる場合以外の訴訟に関する事項も含まれる。ただし、刑事事件を除く。
 「陳述」とは、裁判所に対し、その事件についての事実上及び法律上のあらゆる点について口頭又は書面で述べることをいう。
 なお、陳述と尋問は明らかに異なる訴訟行為として、陳述には尋問は含まれていないとの見解と、陳述は訴訟法上の立証にあたり証拠挙証の一環として尋問が可能との見解があり、今後の判例等によって確定していくものと思われる。

書面添付に係わる業務(法第33条の2)
@計算事項等を記載した書面添付に係わる業務
 税理士又は税理士法人が、申告納税方式又は申告納付若しくは申告納入の方法による租税の課税標準等を記載した申告書を作成したときに、当該申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付する業務をいう。
A審査事項等を記載した書面添付に係わる業務
 税理士又は税理士法人が、申告納税方式又は申告納付若しくは申告納入の方法による租税の課税標準等を記載した申告書で他人の作成したものにつき、相談を受けてこれを審査した場合において、当該申告書が当該租税に関する法令に従って作成されていると認めたときに、その審査した事項及び当該申告書が当該法令に従って作成されている旨を財務省令で定めるところにより記載した書面を当該申告書に添付する業務をいう。
 なお、今次の改正により上記の書面の添付のある申告書を提出したものについて、当該申告書に係わる租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類を調査する場合において、当該租税に関し法第30条の税務代理権限証書を提出している税理士があるときは、当該税理士に対し、当該添付書面に記載された事項に関し、意見を述べる機会を与えなければならないとの規定が新設され、これに該当する場合には意見陳述の業務が必要となる。また、更正に係わる意見聴取(法第35条第2項)の業務については、従前のとおりである。

財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務の業務
 税理士又は税理士法人は、上記に述べた業務以外に、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。
 また、税理士業務に付随しないで、財務書類の作成等の事務を業として行うことができる。ただし、いずれの場合でも、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている業務を除く。
 「財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行」とは、いわゆる会計業務を指し、財務諸表及び試算表等の書類作成や会計帳簿の記帳の代行及び会計帳簿の作成等を言う。「その他財務に関する事務」とは、伝票の起票、資金繰り表の作成、会計処理等に関する相談など、依頼者の財政に係わる事務をいう。

他の法律により税理士が行うことのできる業務
@社会保険労務士の業務
 社会保険労務士法第27条ただし書き及び同法施行令第2条第2号により、税理士又は税理士法人は、税理士法第2条第1項に規定する業務(税理士業務)に付随して社会保険労務土法ら第2条第1項第1号から第2号までに掲げる事務を業として行うことができることとなっている。
A地方公共団体の外部監査人の業務
 地方自治法第252条の28第2項の規定では、普通地方公共団体は、外部監査契約を円滑に締結し又はその適正な履行を確保するため必要と認めるときは、地方自治法第252条の28第1項の規定にかかわらず、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者であって税理士(税理士となる資格を有するものを含む)であるものと外部監査契約を締結することができるとしている。

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