税理士報酬ガイドライン−報酬算定の基本的考え方

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報酬算定の基本的考え方

報酬の適正な算定
 公共的使命を持つ税理士は、税理士事務所を健全に経営する責務がある。したがって、その業務報酬は、委嘱納税者に受け入れられるものであるとともに、社会に継続した専門家サービスが提供できる基盤を支えるものでなくてはならない。
 報酬の算定にあたっては、算定の基準と算定方法を説明できる合理的なものでなくてはならない。市場原理に根ざす適正な報酬額は、税理士の業務の原価に基盤においた額とサービスを受ける納税者の利益との交叉点で定まるはずであるが、ここでは、税理士報酬算定の考え方と考慮すべき要素について述べる。
 なお、本稿では、税理士個人の報酬算定の考え方を基本とし、税理士法人は個人税理士の集合体として捉え、その報酬算定については、税理士個人と同様の観点に立脚している。

税理士報酬の構成
 報酬の請求形態には時間計算や固定額顧問契約など様々な契約が考えられるが、その報酬が適正であるというためには、まず基準となる報酬額がなくてはならない。
 税理士の業務報酬は、適正な専門家サービスの対価と事務所運営の費用から構成されるものと考えられる。「専門家サービスの対価」とは、税理士にとっては所得の額に相当するものであり、「事務所運営の費用」とは、いわば税理士業の経費であろう。
 具体的には、専門家サービスの適正な年間対価の額と予想される年間事務所運営費用を年間業務時間で除した金額が、時間あたりの基準額となる。
 この基準額は事務所ごとに単一ではなく、税務相談業務と税理士の下で事務所職員が行う伝票入力事務などは、基準額が異なることになろう。
 この場合の年間業務時間の中には、研修・調査研究に要する時間が含まれていることも考慮しておくべきである。

適正な専門家サービスの対価
 適正な専門家サービスの対価の額は、税理士としての自己の専門的能力、経験実績などを勘案し、税理士が各自算定すべきものである。通常、業務経験は能力を向上させる要素であり、多様な経験は類似事案の事務に力となるはずである。基本的な対価の額は専門家一人ひとりによって異なるであろうが、同時に対象業務によって異なる対価とすることも不合理ではない。例えば国際税務などに専門的能力を有する税理士は、その能力を発揮できる業務に対しては、相当の対価を設定することも考えられる。

事務所運営の費用
 事務所運営の費用としては、以下のようなものが考えられる。
 @事務所職員に関する費用:給与賞与、法定福利費、福利厚生費、通勤交通費、
 退職準備金、研修教育費など。
 A事務所設備維持に関する費用:家賃、水道光熱費、コンピュータ等事務機
 器に要する費用、保険料、減価償却費など。
 Bその他経費:交通費、通信費、消耗品費、広告費、外注費など。
 税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とすることができる。
 税理士法は、税理士業務の対象となる租税については原則として国税及び地方税のすべてであるという基本的考え方に立ちつつも、税理士業務が独占業務である点からみて、その範囲は最小限のものにとどめるべきであるとして、税理士の援助を特に要しないと認められる税目については業務の対象から除外している。
《除外税目》
印紙税、登録免許税、自動車重量税、電源開発促進税、関税、とん税、特別と
ん税、狩猟者登録税及び入猟税並びに法定外普通税

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